先日、知人と話している時に、売上計画が上手く立てられないと言う話しになりました。
売上計画は、事業計画の一つとして、来期の売り上げ目標を立てていくのですが、来期の売上を予測しなければなりません。
今の仕事がこのまま続くとわかっているなら、今期と同じ数字になりますが、通常は今期より売り上げ目標の上乗せを要求されます。
例えば、新人が入社するので、「来期の売上は1割アップ」と言う具合です。
知人は私と同じIT企業で管理職をしており、大規模システム開発をメインの業務としています。
しかし、システム開発が終わると次の案件を探す必要があり、来期以降の案件がすべて見えている訳ではないので、売り上げ目標を立てても予想通りの結果にならないと悩んでいました。
売上や利益目標を立てても外部要因が影響し、予定通りに進まない事が多くありますが、目標の精度を上げる事は可能なので、その方法をアドバイスしました。
大手の企業なら当たり前に行っている事なので、目新しい手法はありません。
ここからは興味のある人向けの記事になります。
売上(利益)目標の立て方
売上目標を立てるには、まずはこれから仕事が発生するかを考える必要があります。
言い換えれば、仕事量を把握できれば売上目標は簡単に立てられます。
という事で、以下の情報を基に仕事量を把握します。
・今期から来期にかけて発生する仕事の一覧を作成する
・仕事の規模や受注できる確度を把握する
・社内およびビジネスパートナーの要員計画を立てる
それでは、個別に見ていきましょう。
仕事の一覧の作成
まずは仕事の一覧です。
仕事の洗い出しは
・現在対応している案件
・今後受注予定の案件
・お客様の経営計画に記載されている案件
案件の洗い出しは、プロジェクト開始から完了日を記載します。
今対応している案件は、案件の終了まで売り上げは確保されますし、今オファーを受けている案件も、今後の売上として計上されます。
まだオファーは受けていないが、今後自社にオファーが届くと思われる案件も記載します。
これで、来期に対応する案件の一覧が出来上がりました。
仕事の受注確度を考える
次に案件一覧から受注の確度と受注規模を考えます。
現在対応している案件
現在対応している案件の規模と完了日、時期による対応人数の変動、受注確度を見積もっていきます。
対応人数が変わる場合は1ヶ月単位に対応人数を見積もっていきます。
知人の会社のケースだと、案件終了に近づくと対応人数は減るが、途中で案件から外されることはないという事なので、受注確度は「100」とします。
オファーを受けている将来の案件
オファーを受けている案件についても、案件の開始から終了までの期間と案件の規模を考えて売上金額を見積もります。
現在対応中の案件と同様に、対応人数が変化する案件は、1ヶ月単位に対応人数を見積もります。
受注確度は、状況により異なると思いますが、
・期間も受注規模もほぼ確定している場合は、「100」
・期間は確定しているが、受注規模が変動する場合は、「80~90」
とします。
オファーを受けていない将来の案件
最後に、案件のオファーは受けていないが、努力次第では獲得できそうな案件の見積もりです。
経営計画やお客様とのヒアリングで、期間と規模を推測し、自社が入り込めそうな仕事を見積もります。
一見、自社が入り込めそうもない案件についても、一覧に追加します。
その後、これまでと同様に一可決単位に対応人数を見積もります。
受注確度は
・オファーは受けていないが、自社が入れそうな仕事は、「50~80」
・自社の参画が難しそうな案件は、「10~30」
に設定します。
自社およびビジネスパートナーの要員計画作成
仕事と案件規模、受注確度の一覧が出来上がれば、全ての案件を並べた要員計画を作成します。
要員や売り上げの積み上げを行う際、上記で求めた確度を掛けて計画を立てていきます。
例えば、10人で1000万円の案件を受注した場合、その案件の確度が50なら、
5人で500万を予想規模とします。
案件の対応時期や要員の山積みを行うと、繁忙期と閑散期が見えてきます。
繁忙期は要員確保が必要になりますし、閑散期は余った要員をどうするか検討する必要があります。
他部署から応援するのか、ビジネスパートナーを増員するのか、新規の社員を雇用するのか。
来期以降も継続して案件が取得できるのなら社員を雇用しても良いですが、先行きが不透明なら、他部署からの応援やビジネスパートナーの確保を検討します。
繁忙期の要員手配が出来ない場合は、案件を断る必要もあるでしょう。
また、案件の要員ピークを閑散期に移せないかの調整が必要になるかもしれません。
要員計画が終われば、案件の予想金額(確度を掛けた金額)をサマリすれば来期の売上利益目標が決まります。
売上目標が足りない時
来期に予定している案件売り上げ目標を達成できれば問題ありませんが、全然足りない事もあります。
(実際のところ、今わかっている案件だけで目標金額を超えることは少ないですね)
そんな時はどうするか?
現在わかっている案件以外に仕事を探しに行かなければなりません。
(あたりまえですね)
新しい仕事を探す際、どのように売り上げ目標に加算するかもノウハウがあります。
が、長くなってきたので続きはまたの機会に。
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